ありたい姿(Being)
こんにちは。
今日は、キャリア論に触れてみようと思います。
自分のキャリアを考えて、転職を選択肢に入れ始めた方、就活を始める方には『まず、ありたい姿』を定義してほしいと考えます。ありたい姿は、自分らしさを発揮してイキイキ過ごすための大切な要素です。それを見つけるための、エッセンスをここにまとめます。
統計データをみると、今の時代の転職に求めるものは
- 報酬
- やりたい仕事
- ワークライフ
などと言われていますが、今回考えてほしいのは、もっと崇高なあなたのビジョンたるもの。言語化することで、次のステップが見つかりやすくなるので、トライしてみてください。
「どうしたら激しく変化をする時代で、自分らしく・イキイキと過ごせるか。」私は、これまでキャリア形成理論や心理学、組織論にかかわる勉強が好きで数十冊と本を読んだり、同じような考えを持つ仲間と語り合ったり試行錯誤を続けてきました。
中でも大事にしている考えが、ありたい姿(Being)です。
学生時代の就活に悩んでいた時、ある教育系NPOで働いていた元大手人材系人事の方から始めて教わりました。ちなみに、私の入社した大手人材企業はその方とは別会社でしたが、実は新入社員研修でも同じことが話されていました。Being(ありたい姿)は、人材業界、人事の方々には、メジャーな概念です。
Being(ありたい姿)とは
ありたい姿(Being)という、言葉は聞いたことはありますか?
一言で説明をするのは難しいのですが、あなたが幸福を感じている瞬間を、言語化したようなもの。といえば、イメージは沸くでしょうか。
概念的に話すと、「夢、目標」よりも、上位にあるとされています。
先端的な人材開発を取り入れる人材業界やコーチングの世界では、まずこの「Being(ありたい姿)」を定義することで、その人の進みたい道を一緒に定めていくことをします。
私の考えでは、「自身のBeingを言語化できている人」は
- 進むべき道の判断が速やかにできる。
- 日々の仕事から得られる喜怒哀楽に対処できる。
- よりその人にとって、幸福感が高いキャリアをつかみやすい。
そんな印象をもつのが、Being(ありたい姿)だと思います。
『お前の夢は何だ?』『何がほしい?したい?』
という質問に答えるなら、車、家、彼女、子供などが出てくるかもしれませんが、あくまでこれらは夢、目標に分類されます。
『あなたは、それらの夢や目標を通じて、どうなりたいのですか?』
『それが実現した先に、何を成し遂げたいですか?』
このような質問に答えると、Being(ありたい姿)に近いビジョンが見えます。
- 温かい家庭を築いて、安心感や使命感の中で力強く生きていたい。
- 家を持つことで、生活の不安から脱却し、挑戦し続ける自分でいたい。
- お金の不安から解放されて、やりたいことを惜しみなく挑戦したい。
などなども、あなたのBeingが垣間見える世界感に近いかもしれません。
しっくりとくる、言葉に具体化したり、まるっと抽象化する中で深まるのが、Being(ありたい姿)だと考えますので、気になる方は、コーチングを依頼したり、友人に相談することをお勧めします。私は、本やNPOの支援や、セミナーや会社研修で深めてきました。
Being(ありたい姿)の事例
少しずつ、Beingのイメージはついてきたでしょうか?
もう少し理解を深めるために、似て非なる夢と比較をしてみたいと思います。
『必死の思いで、会社・大学・高校に入社(入学)したが、やる気が出ない。』
『時間をかけて、留学・資格取得・表彰されたが、次の目標を失った。』
こんな体験はありませんか?これは、目標の次の展開や、その先にあるあなたの「ビジョン、目的」を見失っていたからかもしれません。(ちなみに、私自身大学入学直後、苦しい病み期を経験しました。)
夢、目標は、あくまで通過点とされています。英語で目標を、Goalといいますが、
サッカーのシュートを決めるのも、バスケのシュートをいれるのも試合に勝つための通過点でしかありません。そして、その試合に勝つことで、何を成し遂げたいか?それは、チームや自分に対する社会からの評価や、報酬かもしれませんが、イチロー選手のようなプロであれば、選手としての自己実現であるとも言われています。
画像にあるような、組織論でも有名なマズローの欲求階層説では、自己実現欲求が
もっとも人の持つ欲求の最上位にあると説明しています。そんな崇高なあなたの価値観を言語化してほしいと伝えたいわけですが、慣れない方はかなり時間を要するかと思います。
※マズローの欲求階層説
私は、学生時代に周囲のサポートをうけ、Being(ありたい姿)を単日合宿でいったん形にしましたが、実際には友人や先輩に相談したり、本を読んだりしながら、たまに見失っては、試行錯誤してより確信に近いBeingを言語化してきました。
Being(ありたい姿)を言語化方法
Being(ありたい姿)を見つけるためには、あなたにとって、非常に繊細なテーマを取り扱いますので、信頼できる人と一緒に始めることをおすすめします。
辛い過去の体験、嬉しかった体験、照れくさい失敗談など。初対面の人に話すには、話しづらいあなたの体験に隠れた、考えや価値観を整理したり、深く掘り下げることで見えてきます。就活生に戻るつもりで、1年ごとに見つめなおしてはいかがですか?
その有効な手法は、モチベ―ショングラフではないでしょうか?
このツールを使って、プラスの感情やマイナスの感情が働いたときに
- 何が起きたか?(事実)
- どんな気持ちになったか?(感情:悲しい、うれしい、寂しい)
- どんな考えで、そう感じた?(価値観)
を整理することだけでも、自分のコアにあるBeing(ありたい姿)が見えてくるかもしれません。
※注意
苦しんできた人を見ているので、あえて言います。
・自己完結しないで!周りに聞いてもらうことが大切。
・迷うこと、わからないことが当然!焦らないでほしい。
・信頼する友人や先輩、コーチに相談を!繊細なテーマなので。
周囲に頼る勇気
このテーマに本気で向き合いたい人が、かならずクリアしなければ、ならないもの。
それが「周囲に頼ること。」ではないでしょうか?自己理解は、一人では絶対にできません。私を教えてくれたコーチも言っていましたが、自分に対する、自己理解と他社理解をすり合わせて始めて納得のいく、客観視された自分がみえます。複数の人の意見を聞きながら、多面的に自分を理解しましょう。
人におせっかいをするのは好き。だけど「自分が、だれかに頼るのは避けたい。」そんな考えの方が意外と多いように思います。自分自身がそうであったため、自分のことを書くと、
- 人に頼れないのは、頼りたくない理由がある。
- その理由は、弱さをみせると自分が壊れそうだから。
- あるいは、返しきれない恩を受ける不安があるから。
- そしてそれが、面倒だと思っている一面があるから。
少しでも共感した方は、一時期の私と似ていますね。いまぼんやり変化したくても、どうしたらいいかわからず長い間悩んでいる方ではないでしょうか。あるいは、目標やビジョンを決められずに苦しんでいるのかもしれません。
もし、現状打破をしたいなら、今ですよ!変化することを決心した人は、変化できます!逆に言うと、変化することを決断できない人や、変わりたいと本気で願っていない人は、コーチングの世界では変化できない人なので支援対象ではないとされています。
あなたは、本当に変化する準備ができていますか?
頼るときにしか得られない、気付き
最後に、この記事の締めくくりとして2つのことを説明させていただきます。本当は、まずやってみようよ!考える前に動くことを推奨したいですが、「頭で理解しないと、動けないや。」という方に向けて書くと
オートクラインと、パラクライン
脳科学や生物学の領域の考え方からきているようですが、オートクラインという「自分が発した言葉による、気付き」を得るという考え方があります。これを参考に、人に話を聞いてもらうことでしか得られない気づきを得るためにという目的意識をもってみてはいかがでしょうか。
たとえば同僚や、友人の愚痴を聞く場面で『ちょっとさ、聞いてよ。うちの会社ひどくて困ってて。云々』と話しを聞いているうちに『あ、なんかわかったわ。ありがとう。聞いてくれて。』
(いや、話聞いただけだけど!)
という体験ありますよね。これが、オートクラインと呼ばれる現象です。
相手に気付きを与えたくて、意図的に『もっと、こうしたらいいじゃん。あなたは、こんな性格だね。』とフィードバックをして気付きを得ること(パラクライン)
とは別の性質がある概念ですよね。そして、私たちはこの自分だけでは気付くことができない自分自身の当たり前化した考え方や、対処しきれていない感情を見つけて対処することで前に進めるのではないでしょうか。
また、いま実現したいものを見つけるヒントになり、転職先を選べたり、現職で頑張るテーマを見つけられるのだと私は考えます。
ジョハリの窓
一度でも会社研修やキャリアセミナーを受けたことがある人なら、知っている話ではないでしょうか。簡単にいうと、自分だけでは見つけられない自分の一面を他人の目で見てもらい評価してもらうことで、自分も想像しなかった幸せなキャリアを見つけることができる。という概念です。
今回の記事では、多くのキャリア論や概念を紹介しましたが、なんとなくわかったという方であれば、ぜひトライください。皆様の幸せなキャリアを応援しております。